この記事の目的
本記事では、統計や科学計算向けとして人気急上昇中のプログラム言語、Julia(ジュリア)について、その初歩やインストール、使い方などを説明します。
※当記事は執筆時点(2020/09/14)現在の情報です。情報は常に更新されますので、最新の情報を確認して下さい。
Juliaってどんなプログラム言語?
Juliaはジュリアと読みます。マサチューセッツ工科大学のグループにより開発された新しいプログラム言語で、人工知能やデータサイエンス、科学計算分野で注目を集めています。
Juliaの特徴は「コードが簡潔で高水準な記述ができる」「プログラムの実行速度が速い」ことです。また「Pythonのように書けて、C言語のように動く」とも表現されます。
Juliaはインストールが簡単で、Windows/macOS/Linuxなどの幅広いOSをサポートしています。
また、動作形態としては、対話型実行環境REPLの他、拡張子.jlのファイル実行形式、Jupyter Notebook形式などがあります。
さらなるJuliaについての詳細は、公式ページまたは日本語の公式ドキュメントをご参照下さい。
Julia – 公式ページ
https://julialang.org/

Juliaのインストール
Windowsの場合
Windowsへインストールを行います。
今回インストールを行った環境は以下です。
・Windows 10 Home 64bit
①Juliaインストーラをダウンロードする

②インストーラを実行する

インストール後、インストールしたフォルダのパスなどを環境変数に設定して下さい。
(例)
JULIA_PATH=”C:(Juliaインストールフォルダ)”
PATH=%JULIA_PATH%\bin;%PATH%
Linuxの場合
Linuxへインストールを行います。
今回インストールを行った環境は以下です。
・Ubuntu Server 18.04 LTS 64bit
①Juliaインストーラ(実行ファイル)をダウンロードする


②インストーラを解凍する
gunzip及びtarコマンドで解凍したあと、解凍したフォルダ内のjuliaファイルに対してリンクを作成します。
gunzip julia-1.5.1-linux-x86_64.tar.gz
tar -xvf julia-1.5.1-linux-x86_64.tar
sudo ln -s /home/ubuntu/julia-1.5.1/bin/julia /usr/local/bin/julia
以下のコマンドでjuliaのバージョンが表示されればインストール完了です。

Juliaを実行する
Windowsの場合
①対話型実行環境REPLで実行する

対話型実行環境では、ヘルプモードが利用できます。
「?」キーを入力するとプロンプト表示が help?> となり、ヘルプモードに移ります。
調べたいコマンドのヘルプを表示することができます。

対話型実行環境を終了するには「Ctrl + D」キーを入力するか、exit()と入力しEnterを押下します。
②ファイル実行形式で実行する

③Jupyter Notebookで実行する
JuliaをJupyter Notebookで実行することができます。
実行するには、まずパッケージ「IJulia.jl」(アイ・ジュリア)をインストールする必要があります。

※パッケージ一覧の取得
インストールしたパッケージの一覧を取得する場合は、「status」と入力すると取得できます。


Linuxの場合
①対話型実行環境REPLで実行する


対話型実行環境では、ヘルプモードが利用できます。
「?」キーを入力するとプロンプト表示が help?> となり、ヘルプモードに移ります。
調べたいコマンドのヘルプを表示することができます。

対話型実行環境を終了するには「Ctrl + D」キーを入力するか、exit()と入力しEnterを押下します。
②ファイル実行形式で実行する

③Jupyter Notebookで実行する
JuliaをJupyter Notebookで実行することができます。
実行するには、まずパッケージ「IJulia.jl」(アイ・ジュリア)をインストールする必要があります。

※パッケージ一覧の取得
インストールしたパッケージの一覧を取得する場合は、「status」と入力すると取得できます。


トラブルシューティング
Jupyter Notebookを外から起動する場合(外部アクセス等)
基本的にJupyter Notebookはローカル環境(localhost)向けに起動しますが、ネットワーク上の他ノードや、クラウド環境などによるインターネット経由でアクセスしたい場合は、次のように設定を行って下さい。
①設定ファイルを作成する

.jupyterフォルダ配下に設定ファイル「jupyter_notebook_config.py」が作成されます。
②設定ファイルを修正する
作成された設定ファイルを開きます。
vi .jupyter/jupyter_notebook_config.py

また、Jupyter Notebookにアクセスする時にTokenやパスワードを解除するには、以下を設定して下さい。
c.NotebookApp.password = ”
c.NotebookApp.token = ”
Jupyter Notebookが起動しない
Jupyter Notebookを使用する場合は、version 3.0以降のIPythonがインストールされている必要があります。さらに、jsonschema, Jinja2, Tornado, and pyzmqも同様です。
詳細は公式ドキュメントをご参照下さい。
Manual installation of IPython
https://github.com/JuliaLang/IJulia.jl/blob/master/docs/src/manual/installation.md
関連情報
Julia – 公式ページ
https://julialang.org/
Julia – 日本語公式ドキュメント
https://julia-doc-ja.readthedocs.io/ja/latest/index.html
ご意見など
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