はじめに
これからRustプログラミングをやろうとしたときに、コマンドラインではなくて、よく使われているEclipseとVSCodeのどちらかで使ってみたいと考える人は多いかと思います。
そこでどちらが環境構築が簡単で使いやすいかを比較しようと思います。
前回はVS Codeで環境構築を行ってみました。
【Rust】VSCodeでRustのIDE環境を作ってみる
今回はEclipseで構築します。
前回同様単純な比較を行いため、日本語化は行わないまま扱います。
気に入った場合は日本語拡張機能を入れてつかってください。
インストール環境 Windows10
目次
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- Step1 Eclipse IDE for Rust Developersのダウンロード
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- Step2 Eclipseを起動
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- Step3 Rustupをインストール
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- 【感想】VSCode VS Eclipse for Rust
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- Eclipse Corrosionってどういう意味ですか
- 参考文献
Step1の前に
以下の説明を読んでいただけるとわかりますがEclipse IDE for Rust Developersを探すのはやや面倒になっています。すぐに試したいのでファイルそのものをいきなり欲しいという方は以下のリンクから直接とってください。
Eclipse IDE 2020-12 R Eclipse IDE for Rust Developers
それではStep1(ダウンロード)のまえにRust開発のEclipseについて少し説明をしておきます。例えば’Rust’ ‘Eclipse’という検索ワードでさがしてもらえばわかりますが、開発環境は1種類というわけではありません。
少なくとも次の3種類は出てきます。説明はそれぞれのサイトの表現です。
2Eclipse Corrosionthe Eclipse IDE for Rust3RustDTan Eclipse based IDE for the Rust programming
これらの関係ではっきりしていることは、RustDTは2017年でメンテナンスを終了していてCorrosionはそれを引き継いでいるとなっています。
Eclipse + RustDTといった表現も結構でてきますがこれはCorrosionと考えていいでしょう。
そうなりますと1と2がともにEclipseのサイトからリリースされているのに、なぜ今もCorrosionプロジェクトが別になっているのかです。それはこれまでの経緯だと考えられますが、いまひとつ調べ切れていません。
もう少し3つについて説明を加えますと。
となり、対応バージョンから推測するに明らかに開発は別々という感じです。1がCorrosionから引き継いでいるという説明も特になさそうです。
説明が長くなりましたが、Eclipse for Rust だけで導入してしまうと自分がどのパッケージをインストールしたのかわからなくなりますので少し頭に残しておいたほうがよいかと思いあえて説明させていただきました。
Step1 Eclipse IDE for Rust Developersのダウンロード
EclipseのRust版をダウンロードします。
ここでは1のEclipse IDE for Rust Developersのインストールを行います。
理由としては他のパッケージをインストールするときと同じようにRustパッケージを選べたほうが私には自然に思えたからです。

eclipse-rust-2020-12-R-win32-x86_64.zipがダウンロードされますのでそのファイル
をCドライブ直下へ移動します。
展開場所はどこでも構いませんが、よくご存じのかたもおおいでしょうが、Eclipseはそのフォルダ内でほとんど閉じているため、一般的にはドライブ直下においてファイルアクセスを少しでも速くなるようにします。
展開してください。
Cドライブ直下にeclipseフォルダが作成されます。
Step2 Rustupをインストール
次にRustupのインストールです。ここは前回のVSCodeのときと同じことを行います。同じ内容になりますが書きます。なお、Rustupが入ってない状態でEclipseを起動しますと、Rustに必要ないくつかの部品が入っていないから設定しなさいというダイアログがでてきて、設定画面が立ち上がります。その画面でもインストールできるようになっています。
Rustupとは the Rust toolchain installerのことでRustのツールチェインし環境を提供してくれます。Rustもこれを推奨しています。


RUSTUP-INIT.EXE(64-BIT)をダウンロードをクリックします。
rustup-init.exeがダウンロードされますのでそれをダブルクリックしてインストールをはじめます。

ここからはターミナルでのコマンドライン入力となります。
ここでdefault の1を入力してリターンをしますと次々にインストールが進みます。

これでRustupはインストールされました。
Step3 Eclipseを起動


Cargo Projectを選択してNextをクリックします。


実行できています。
感想 VSCode VS Eclipse for Rust
Rust開発のためにVSCodeとEclipseを試してみた個人的な感想です。
そのまえにお気づきになられたかたもおられるかと思いますが、デバッグ機能のインストールがここでは試されていません。無視をしたわけではありません。Rustupにはrust-gdbが含まれておりGDBによるデバッグができるはずなのですが、残念ながらいくら試しても以下のエラーが出て起動できませんでした。
Could not determine GDB version using command: rust-gdb --version
error: the 'rust-gdb.exe' binary, normally provided by the 'rustc' component,
is not applicable to the 'stable-x86_64-pc-windows-msvc' toolchain
そんなはずはないと、Stack Overflowは当然としてかなり調べたつもりですが同じ内容で困っている人はいても、それにたいする解決策は見つかりませんでした。stable-x86_64-pc-windows-msvcを変更してみてはといったものまで試してみました。Corrosionも試しましたが同じでした。これについては今後の検討課題としていたいと思います。
ということで、公平な比較となっていませんが、比較した感想を言いますと、すぐにでも動かすということであれば、Eclipseのほうが設定が少ない分楽です。しかし残念ながらEclipseはデバッグ機能が動かせていないためIDEとしてはVSCodeを選んだほうがよいでしょう。今回は行っていませんが日本語化まで考えるとこれもVSCodeのほうに軍配があがるように思います。
Eclipse Corrosionとはどういう意味ですか
今回登場したEclipseプロジェクト名のCorrosionはどういう意味がご存じでしょうか。
調べてみると腐食とかそういった意味です。私は過去にお目にかかったことのない英単語です。
おかしなプロジェクト名だと思いませんか?
何かコンピュータ関係で意味があるのかと調べてもまったくないので気にせずに使ってました。
しかしあるとき、急に気が付いたんです。
聡明な皆さんならすでにお気づきでしたでしょうか。
それぐらいすぐにわかるわですか。
そうなんです、そもそもRustはサビのことです。
サビは金属の腐食ですよね。
だからCorrosionですか。な~るほどです。
英語力がいまいちではやはりだめですね。
参考文献
- How to Run Rust in Eclipse IDE