YARNリソース管理とは?Hadoopでの仕組みと詳細解説

YARN(ヤーン)は、Hadoop 2.xのリソースマネージャーであり、クラスター内の計算リソースとタスクのスケジューリングを管理します。YARNの登場により、Hadoop 1.xのJobTrackerのボトルネック問題が解消され、リソース管理とタスクのスケジューリングが分離され、Hadoopクラスターがより柔軟で効率的になりました。

YARNは、ResourceManager(リソースマネージャ)とNodeManager(ノードマネージャ)の2つのコンポーネントで構成されています。ResourceManagerはクラスタ全体のリソース管理とスケジューリングを担当し、クライアントからのタスクリクエストを受け取り、リソースを各アプリケーションに割り当て、クラスタリソースの使用状況を監視します。一方、NodeManagerは各ノードでのリソース管理とタスク実行を担当し、ResourceManagerと通信してノードリソースの使用状況やタスクの状態を報告します。

YARNのリソース管理は、クラスターレベルのリソース管理とアプリケーションレベルのリソース管理の2つのレベルに分かれます。クラスターレベルでは、ResourceManagerはクラスター全体のリソース状況と各ノードのリソース利用状況に基づいてリソースの割り当てやタスクのスケジューリングを動的に調整し、クラスターを効率的に活用し、タスクをスムーズに実行するために働きます。アプリケーションレベルでは、YARNは各アプリケーションのリソースリクエストとタスク実行を管理するためのApplicationMaster(アプリケーションマスター)を提供し、各アプリケーションにはResourceManagerとのやり取りをする独立したApplicationMasterがあり、タスクの実行を調整します。

YARNは、Capacity Scheduler、Fair Scheduler、FIFO Schedulerなど、さまざまなタスクスケジューラをサポートしており、ユーザーは自分のニーズに応じて適切なスケジューラを選択してタスクの実行順序やリソース割り当てを管理することができます。さらに、YARNはリソースの隔離とコンテナ化もサポートしており、各タスクは独立したコンテナ内で実行されるため、タスク間の隔離とセキュリティが確保されています。

総じて、YARNはHadoopのリソースマネージャーとして、クラスターに強力なリソース管理とタスクスケジューリング機能を提供し、Hadoopクラスターが大規模データ処理タスクをより柔軟かつ効率的に処理できるようにします。YARNを適切に構成して使用することで、ユーザーはクラスターリソースを最大限に活用し、データ処理の効率とパフォーマンスを向上させることができます。

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