TLBの役割と動作原理
TLB(Translation Lookaside Buffer)は、仮想アドレスを物理アドレスに変換するプロセスを高速化するためのハードウェアコンポーネントです。その役割は、メモリアクセスの遅延を減らし、プログラムの実行効率を向上させることです。
TLBの動作原理は次の通りです。
- CPUが仮想アドレスにアクセスする場合、TLBは最初に対応する物理アドレスが存在するかどうかをチェックします。
- TLBに対応する物理アドレスが存在すれば、TLBは直接その物理アドレスを返し、それを「ヒット」と呼びます。
- TLBに該当する物理アドレスが存在しない場合、TLBはメモリアクセスリクエストを送信し、対応する物理アドレスをメインメモリから取得することを「ミス」または「ミスヒット」と呼びます。
- 主記憶から物理アドレスが戻ってきたら、その仮想アドレスと物理アドレスをTLBに追加して、次回のアクセスで直接ヒットできるようにします。
TLBの動作原理は、仮想アドレスから物理アドレスへの変換速度を大幅に向上させることができます。なぜならTLBのアクセス速度がメインメモリよりも速いからです。最近アクセスされた仮想アドレスと物理アドレスのマッピング関係をキャッシュすることで、毎回メインメモリアクセスを行う必要がなくなり、プログラムの実行効率が向上します。