netty多重通信の原理とは何ですか
Nettyは、Selectorを利用して複数のチャンネルを一括管理・イベントを分散させる、マルチプレクサ原理を採用しています。
Nettyは非同期IOモデルを使用し、基盤ではJava NIOが提供するSelectorクラスを使用して多重入出力を行います。Selectorは、登録済みの複数のChannelの監視が可能です。Channelのいずれかでイベントが発生すると、Selectorは対応するイベント通知を発生させ、1つのスレッドで複数のChannelのIO操作を処理します。
具体的なメカニズムは以下の通りです:
- Selectorオブジェクトを作成し、Selector.open()メソッドを呼び出します。
- 非ブロッキングモードにセットしたServerSocketChannelまたはSocketChannelを作成する
- ServerSocketChannelまたはSocketChannelをSelectorに登録し、OP_READ, OP_WRITEなどの対応するイベントタイプを設定します。
- セレクタの select() メソッドを呼び出し、少なくとも1つの登録されたイベントが発生するまでブロックします。
- select()メソッドから、イベントが発生したチャンネルの集合を取得したら、その集合を反復処理します。
- 各チャンネルごとに、データの読み出し、書き込みなどの発生したイベント種別に応じて適切な処理を行います。
- 処理が終わったら次のループへ移行する。
Selectorを利用することで、複数のチャネルを1つのスレッドで処理できるため、チャネルごとにスレッドを作成するコストが無くなり、システムの並列処理能力とリソースの利用率が向上します。さらに、多重化モデルはコンテキストスイッチのオーバーヘッドを低減し、システムのパフォーマンスの向上に寄与します。