erpc(EmbeddedRPC)入門ノート
ERPCは、組込みシステム向けのRPC(リモートプロシージャコール)フレームワークです。リモートの通信メカニズムを容易にして、組込み機器間、あるいはサーバとの通信を可能にするシンプルな軽量な仕組みとして設計されています。
ERPC入門に関するメモです
- ERPCアーキテクチャ:
ERPCはサーバ側とクライアント側に分かれています。サーバ側はデバイス上に組み込まれ、他のデバイスから呼び出されるサービスを提供します。クライアント側はリモートのデバイスまたはサーバ上に存在し、サーバ側が提供するサービスを呼び出します。
- 通信メカニズム:
ERPCは軽量なメッセージ伝達機構によって通信を行います。メッセージはデータと操作コードで構成され、呼び出すインターフェイスとパラメータを表します。メッセージはUART、SPI、I2Cといった通信プロトコルで送信できます。
- インターフェイス定義:
ERPC では、サーバー側で提供するサービスとパラメータを記述するインターフェースを定義する必要があります。インターフェースは、関数名、パラメータの型、戻り値の型などの情報を記述した ERPC インターフェース記述言語 (IDL) で定義できます。
- コード生成
ERPCはインターフェース定義から対応するCコードを生成して、IDLからCコード変換ツールを提供します。これらのコードはサービス側とクライアント側のスタブ関数とスケルトン関数が含まれ、メッセージの解析と呼び出し処理に使用されます。
- メソッド呼び出しを行う。
クライアントはサーバにメッセージを送信してサービスを呼び出す。サーバはメッセージを受け取るとそれを解析して、インターフェースの定義に基づいて適切な操作を行う。その結果をメッセージにまとめてクライアントに送信する。
- エラー処理:
ERPCはエラーが発生した場合のエラー処理を提供し、呼び出し中に発生したエラーを処理できます。サーバーはエラーコードをクライアントに返し、クライアントはエラーコードに従って対応できます。
- 性能の考慮事項:
ERPCは、組込みシステムのリソース制約や性能要件を設計に考慮しています。軽量なメッセージングメカニズムを利用し、通信のオーバーヘッドを削減します。さらに、ERPCはメッセージの圧縮と暗号化をサポートし、通信の効率性とセキュリティを向上させます。
要約:
組込みシステム用のRPCフレームワークであるERPCは、簡単に、低負荷で通信できる仕組みです。インターフェイスの定義、コードの生成、メッセージ処理により、リモートプロシージャーコールを実現します。ERPCを使用することで、組込み機器と他の機器、あるいはサーバーとの通信をスムーズに行えます。