C++ の this ポインターは何に対応していますか
C++ の this ポインタは、主に以下のような問題の解決に使用されます。
- C++ではメンバー関数はクラスのメンバー変数にアクセスできますが、メンバー関数の引数とメンバー変数が同じ名前の場合、メンバー変数に直接アクセスできません。thisポインタを使用することで、引数ではなくメンバー変数にアクセスすることを明確に示すことができます。
- メンバー関数で自身を返す場合:ときには、現在のオブジェクトをそのほかのメンバー関数を連続して呼び出せるよう、メンバー関数内で現在のオブジェクトそのものを返したい場合があります。this ポインタを使用すると、現在のオブジェクトへのポインタを返すことができます。
- クラスのコンストラクタでフィールド変数を初期化する:クラスのコンストラクタの引数名とクラスのフィールド変数の名前が同じ場合、フィールド変数を直接初期化することはできない。thisポインタを使うことで、フィールド変数を初期化していることを明示できる。
- this ポインターを活用して、クラスのメンバ関数内で現在のオブジェクト自身を返却することにより、チェーン呼び出しが可能になり、コードが簡潔かつ可読性が高まります。
- thisポインタを使用することで、メンバー関数のパラメータとメンバー変数の同名が原因で発生する二義性問題を解決できます。これにより、パラメータではなくメンバー変数にアクセスすることを明確に示すことができます。