大量のデータを受信したことによりQTシリアルポートが固まってしまう場合の解決策
大量のデータをQtシリアルポートで受信すると処理が滞り始める場合、以下の解決策を試してみましょう。
- シリアル受信コードを最適化: シリアル受信コードが効率的であることを確認し、Qtが提供する非同期読込メソッドを使用し、データ受信時にメインスレッドをブロックしないようにします。readyRead()シグナルを使用してデータ受信を開始し、スロット関数でreadAll()またはread()関数を使用してデータを読み取ります。
- 多スレッドを使用:シリアルポートの受信コードを別スレッドで実行し、メインスレッドがブロックされないようにする。Qtで提供されているQThreadクラスを使用して新しいスレッドを作成し、シリアルポートの受信コードを新しいスレッドのrun()関数で実行する。
- 受信バッファの追加:大量のデータを受信する場合は、受信バッファを追加して、受信したデータを一時保存して、メインスレッドでバッファ内のデータを処理することで、個々の受信データを直接処理しないで済むようにしましょう。QByteArray をバッファとして使用して、データを受信したときにバッファに追加します。
- シリアル通信設定の調整:可能であれば、ボーレート、データビット数、ストップビットなどを調整してシリアル通信の速度を改善できる可能性があります。
- Qtのイベントループを活用する:大量のデータを受け取る場合、Qtのイベントループを活用してデータを処理することで、すべての受信データを直接処理する必要がなくなります。イベントループを処理するには、QCoreApplication::processEvents()関数を使用できます。
- ハードウェアアクセラレーションを使用する: 上記の方法で問題が解決しない場合は、大量のデータを処理するためにハードウェアアクセラレーションの使用を検討してください。特別なハードウェアデバイスまたはチップを使用してシリアルデータを処理し、Qtを介してハードウェアデバイスと通信できます。
上記の手順は、最良のパフォーマンスと効果を得るために、具体的な状況に合わせて調整と最適化が必要な場合がありますので、ご注意ください。