データベース接続プールの仕組み
データベース接続プールはデータベースの処理速度と効率を向上させることを目的として動作しています。一定数のデータベース接続を事前に作成・管理することで、頻繁に接続を作成・破棄することを回避し、システムのオーバーヘッドやリソースの消費を抑えています。
以下にデータベース接続プールの動作メカニズムを示します。
- システム起動時にデータベース接続を一定数作成し、それらを接続プールに格納しておく。この初期化時などに作成された接続をアイドル接続と呼ぶ。
- 接続要求:アプリケーションはデータベースとのやり取りが必要なとき、接続プールからデータベース接続を取得します。接続プールに利用可能なアイドル接続があれば、アプリケーションに割り当てられます。なければ、接続プールは設定されたパラメータに基づいて新しい接続を作るかどうかを決定します。
- 接続方法:データベース操作(検索、更新など)に、アプリケーションは接続を使用する。接続プールはその使用状況を監視することで、使用終了後に接続を再びプールに戻せる。
- 接続の返却:アプリケーションが接続を使い終えた後は、接続を接続プールへ返却する必要があります。接続プールでは、接続が利用可能かどうかをチェックし、データベーストランザクションの終了やコミットされていない操作のロールバックなどの、必要なクリーンナップ操作を行います。
- 接続管理: 接続プールは、タイムアウト処理や接続の可用性検査など、接続を管理します。接続が設定されたタイムアウト時間を超えた場合やエラーが発生した場合、接続プールは無効な接続としてマークし、接続プールから削除します。
- 接続プールの増強: 接続プールの接続が不足している場合、接続プールは、設定したパラメーターに従って動的に増強され、さらに多くの接続が作成されます。
接続プールを利用することで、データベース操作毎の接続の生成や破棄にかかるコストが削減でき、データベース接続のリソース競合が防止され、データベース操作の性能と効率が向上します。また、接続プールの利用により接続数の制御が行えるため、過剰な接続によるデータベースへの負荷軽減も行えます。