次世代メッセージキューPulsarがなにものなのか
PulsarはApacheソフトウェア財団が開発・メンテナンスする次世代の分散メッセージキューシステムで、高可用性、拡張性、柔軟性を提供するメッセージングソリューションの提供を目的としています。
Pulsarは、従来のメッセージキューイングシステムにおける制約や課題に対処するように設計されています。他のメッセージキューイングシステムとは異なり、Pulsarは次のような特徴を備えています。
- レイヤードアーキテクチャ:Pulsarはレイヤードアーキテクチャを採用しており、メッセージの保存とメッセージの配信ロジックを切り離しています。この設計によりPulsarは無制限の拡張が可能になり、低い遅延と高いスループットを維持できます。
- マルチテナントサポート: Pulsar は複数のテナントをサポートして、各テナントが独自のネームスペース、トピック、サブスクリプションを持つことができます。これにより、データ分離とセキュリティを維持しながら、異なるユーザーとアプリケーションが同じ Pulsar クラスターを独立して使用できます。
- 永続ストレージ: Pulsarでは永続ストレージが使用されてメッセージの信頼性と永続性が確保されています。高可用性とデータの冗長性を提供するためにメッセージはローカルディスクまたはクラウドストレージに永続化されるようになっています。
- ストリームネイティブの処理: Pulsar は、ストリームネイティブの処理機能を持ち、メッセージをストリーム処理エンジン(Flink、Spark など)に直接ストリーム配信できます。これにより Pulsar をストリーム処理システムと統合して、リアルタイムのデータ処理と分析を実現できます。
- 多種のプロトコルとクライアントに対応: HTTP、Kafka、WebSocket などの多種多様なメッセージングプロトコルに対応しており、さまざまなクライアントやアプリケーションと連携できます。
Pulsarは高性能、拡張性、柔軟性を備えた分散メッセージキューイングシステムとして、大規模リアルタイムデータ配信および処理プラットフォームの構築に適しています。ビッグデータ、IoT、マイクロサービスなどの分野で幅広い応用が見込まれます。