ファストレーン利用方法と文書作成
FastlaneはiOSとAndroidの自動ビルド・リリースツールであり、開発者が煩雑な開発、テスト、パッケージ化、リリースプロセスを自動化することを支援します。Fastlaneを使用して、開発者は簡単な設定ファイルでプロセスを定義し、継続的インテグレーション(CI)システムに統合して簡単に運用できます。
Fastlane の中核には Fastfile があり、これは複数のビルドおよびリリースタスクを含んだ Ruby スクリプトファイルです。Fastfile 内で開発者は複数の lane(フロー)を定義でき、各 lane は複数のステップを含んでいます。各ステップは、ビルド、テスト、パッケージ、リリースなどのタスクから構成できます。
次にFastfileの例を示します。
lane :deploy do
match(type: "appstore")
gym
pilot
end
上記のコードは、match、gym、pilotという3つのステップを含むdeployというレーンを定義しています。matchは証明書とプロファイルの管理と作成に、gymはアプリのビルドに、pilotはアプリのTestFlightへのアップロードに使用されています。
FastlaneはFastfileのほかに、AppfileやMatchfileなど他の設定ファイルを使用できる。AppfileはアプリのIDや開発者アカウント情報など、アプリに関連する情報を格納する。Matchfileは証明書とプロビジョニングプロファイルの設定情報を格納する。
Fastlaneの基本的な手順は次のとおりです。
- Fastlaneのインストール:バンドラーと呼ばれるRubyのパッケージマネージャーを使用してFastlaneをインストールできます。
- プロジェクトのルートディレクトリに、Fastfile ファイルを作成して、プロセスと手順を定義します。
- 必要に応じて、プロジェクトルート直下に Appfile と Matchfile ファイルを作成して適切に設定することも可能。
- ターミナルでプロジェクトのルートディレクトリに移動し、fastlane [レーン] コマンドを実行して指定したレーンを実行します。
基本的なビルドと配布タスクに加えて、Fastlaneはさまざまなプラグインや拡張機能をサポートしており、開発者がより複雑な自動化プロセスを実現するのに役立てられます。これらのプラグインや拡張機能を利用することで、開発者は特定のニーズに合わせてFastlaneの機能をカスタマイズできます。
ファストレーンを使用すると、開発者は簡単な設定ファイルを通じて構築およびリリースのタスクを定義して実行でき、開発フローの効率と信頼性を向上させます。