ゼノマイカーネルアーキテクチャ – ゼノマイの構成

Xenomaiはリアルタイム拡張版Linuxカーネルで、Linuxシステム上でリアルタイム環境を提供します。その構成は次のように構成されています。

  1. カーネルモジュール:Xenomaiの核となる部分で、Linuxカーネルに組み込まれ、Linuxカーネルと密接に連携。Linuxカーネルのスケジューラーや割込み処理の仕組みを変更することで、リアルタイム性能を向上させている。
  2. コバルト:XENOMAIリアルタイムカーネルのリアルタイムコアで、Linuxカーネルのスケジューラおよび割り込みハンドリングメカニズムと並行して、独立したリアルタイムスケジューラおよび割り込み処理メカニズムを実装しています。コバルトは、低遅延で予測可能なリアルタイム実行環境を提供することを目標として設計されています。
  3. ネイティブAPI:ゼノマイでは、デベロッパーがCobaltカーネル内でリアルタイムアプリケーションを直接記述できる、ネイティブアプリケーションインターフェイス(ネイティブAPI)を用意しています。ネイティブAPIでは、リアルタイムタスクの管理、同期、メッセージング、割り込み処理などの機能を提供しています。
  4. POSIX API:Xenomaiは、ネイティブAPIとは別に一組のPOSIX互換のアプリケーションプログラミングインターフェイス(POSIX API)を提供しており、開発者はPOSIXの標準インターフェイスを使用してリアルタイムアプリケーションを記述できます。POSIX APIは、POSIX呼び出しをコバルトカーネルに転送することで、Linuxカーネルのリアルタイム拡張を実現します。
  5. ドライバ:Xenomai では開発者はモジュール方式でハードウェアドライバをリアルタイム環境に統合することができます。これらのドライバはCobalt カーネルで実行され、リアルタイムタスクと協調してリアルタイムなパフォーマンスを提供することができます。

全体として、Xenomaiはリアルタイム性能と予測可能な実行環境を提供するもので、Linux環境上でリアルタイムアプリケーションを開発できるようになるコアカーネルモジュール、Cobaltリアルタイムカーネル、ネイティブAPI、POSIX API、ドライバーなどから構成されています。

bannerAds