Springによる依存性処理の仕組みは?
SpringはDIの原則をIOC(制御の反転)コンテナを通じて実装しています。
IOCコンテナとはSpringフレームワークの中核であり、オブジェクトの作成、オブジェクトのライフサイクル管理、依存オブジェクト解決を行います。IOCコンテナを使用することで、依存関係管理はオブジェクト自身が担うのではなく、コンテナが管理するようになります。
具体的に言うと、SpringのDI(依存性注入)の仕組みはこうです。
- BeansはXMLなどの設定ファイルやアノテーションで定義します。つまりコンテナが管理する必要があるオブジェクトのことです。
- スプリングフレームワークは、アプリケーションの起動時にIOCコンテナを作成し、コンテナはコンフィグレーションファイルを読み込んで定義されたBeanのインスタンスを作成し、それらのBeanとそれらの依存関係をコンテナに保存します。
- 依存関係の解決:IOCコンテナは、Beanが必要になった時に、設定された依存関係に基づき、必要な依存オブジェクトを自動的に解決して挿入する。
- 自動的にBeanのインスタンスの検索と生成を行い、依存オブジェクトを依存プロパティへ注入、依存解決の完了
- ライフサイクル管理:IOCコンテナがBeanのライフサイクル(インスタンス化、初期化、利用、破棄など)を管理します。
IOCコンテナを利用した依存性注入の利点は以下のとおりです。
- DI:コンテナ管理によってオブジェクト間の依存関係が解消され、結合度が低下する。
- 設定を簡略化:IOCコンテナを利用して依存関係を自動解析し、手作業による過大な設定コードの記述を回避
- 柔軟性の向上:依存性の注入によって、Beanの実装を容易に交換や代替できます。
要約すると、Springの依存性注入の仕組みとは、IOCコンテナがオブジェクト同士の依存関係を管理・解消し、オブジェクトの作成と注入を行うことです。